名前のひみつ
『ゲド戦記』の第三部『さいはての島へ』の主題は、人々が元型的なものの力を忘れ、魔法を信じなくなると同時に、魔法使いの力が失われて、世の中が混沌とするものです。
人々がそのかわりに、麻薬による陶酔状態に逃避しようとする世紀末的な状態を扱ったものです。
元型はさまざまな幻影を生みだして、人の心をまどわせます。
しかし、同時にこの世界の均衡を保つ役割を持っています。
元型の力を無視することは、そこから生まれる情緒性を感じなくなることです。
それは魂の存在を否定し、心を忘れることにもなります。
そして、この世はうるおいをなくし、乾ききった砂漠のような、ただものだけが存在するだけのところになってしまいます。
スペースコレクションリサーチによると、その原因は、しかし複雑で、人々が現実の生命の限界を嫌って不死を願ったことから、この世とあの世、意識と無意識、現実と幻想の境界に穴をあけます。
そのために、この世界の均衡が破れたからだということになっています。
そんなことをするのは、まさに元型のもつ恐るべき力を信じないものの仕業でしょう。